初めてのNFTアート購入、費用はどれくらい?知っておくべきコストと予算の考え方
NFTアートという言葉を耳にする機会が増え、「自分も始めてみたいけれど、費用がどれくらいかかるのか分からなくて不安」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
全く知識がない状態からNFTアートの世界に足を踏み入れる際、多くの方が最初に気になるのが「お金」に関することです。作品自体の値段はもちろん、見慣れない「手数料」のようなものもあると聞いて、尻込みしてしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、あなたがNFTアートを安全に、そして無理のない範囲で始めるために知っておくべき「費用」について、専門用語を避けながら分かりやすく解説します。この記事を読めば、NFTアート購入にかかる費用の全体像と、あなたに合った予算の立て方が理解できます。
NFTアート購入にかかる主な費用
NFTアートを購入する際に必要となる費用は、主に以下の4つに分けられます。
- 作品自体の価格
- ガス代(ネットワーク手数料)
- 仮想通貨取引所の手数料
- NFTマーケットプレイスの手数料
それぞれについて、順番に見ていきましょう。
1. 作品自体の価格
これは文字通り、あなたが購入したいNFTアート作品そのものに設定されている価格です。この価格は、本当に千差万別です。
数千円、数百円、あるいは中には「無料(ただし手数料はかかる)」で手に入れられるものもあれば、有名アーティストの作品や非常に人気のあるコレクションは、数百万円、数千万円、時にはそれ以上の価格がつくこともあります。
初心者のうちは、まず数千円程度の比較的手に取りやすい価格帯の作品から見てみるのが良いかもしれません。
2. ガス代(ネットワーク手数料)
これが、NFT取引を初めて行う方が戸惑いやすい費用の一つです。ガス代とは、NFTが作られたり、売買されたりする際に使用されるブロックチェーンという仕組みを動かすために必要な手数料です。
例えるなら、高速道路を通行する際に料金がかかるように、ブロックチェーンというデジタルな「道路」を使って取引を行うために支払う利用料のようなものです。
このガス代は、取引量やブロックチェーンの種類によって常に変動しています。特に、多くのNFTが作られている「イーサリアム」というブロックチェーンでは、取引が集中する時間帯にはガス代が高くなる傾向があります。
ガス代は作品価格とは別に発生し、取引が成功しても失敗してもかかる場合があります。そのため、ガス代についても理解しておくことが、予期せぬ出費を防ぐために重要です。
3. 仮想通貨取引所の手数料
NFTアートを購入するためには、多くの場合「イーサリアム」などの特定の仮想通貨が必要になります。この仮想通貨を日本円で購入するのが「仮想通貨取引所」です。
取引所によっては、日本円を仮想通貨に替えたり、仮想通貨を自分のデジタルなお財布(ウォレット)に送金したりする際に、手数料がかかることがあります。
利用する取引所によって手数料の体系が異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
4. NFTマーケットプレイスの手数料
NFTアート作品が販売されているインターネット上の「お店」のような場所を「NFTマーケットプレイス」と呼びます。代表的なものに「OpenSea(オープンシー)」などがあります。
これらのマーケットプレイスでも、作品を購入する際に手数料(プラットフォーム手数料などと呼ばれることもあります)がかかるのが一般的です。これもマーケットプレイスによって割合が異なります。
具体的な費用感を掴むための目安
では、実際にNFTアートを始めてみたい場合、具体的にどれくらいの費用を用意すれば良いのでしょうか。これは購入したい作品の価格帯や、その時のガス代によって大きく変わるため、「いくら必要です」と断定することは難しいです。
しかし、初心者が「まず試してみる」という目的であれば、数千円から1万円程度の予算から始めることも十分に可能です。
例えば、
- 比較的安価な数百円〜数千円程度の作品を選ぶ
- ガス代が比較的安い時間帯や、イーサリアム以外のガス代が安いブロックチェーン(例えばPolygonなど)を使った作品を探す
といった方法を組み合わせることで、初期費用を抑えることができます。
ただし、これはあくまで一つの目安であり、ガス代の急騰など予測できない要素もありますので、余裕を持った予算設定を心がけることが大切です。
無理のない予算を立てるための考え方
NFTアートに興味を持ち、これから購入を検討する際に最も重要なのは、「無理のない範囲で予算を立てる」ことです。
- 生活に影響しない「余剰資金」で始める: NFTアートを含む仮想通貨やデジタル資産の価値は大きく変動することがあります。場合によっては、購入した金額よりも価値が下がってしまう可能性も十分に考えられます。万が一、その資産価値がゼロになってしまっても、ご自身の生活や将来設計に影響が出ないような「余剰資金」で始めるようにしましょう。
- 「投資」ではなく「趣味」や「体験」として捉える: 最初から「これで儲けよう」「必ず値上がりするはずだ」といった投資目的で始めるのではなく、まずは「新しい技術やアートに触れてみる」「デジタルなものを所有する体験をしてみる」といった趣味や好奇心を満たす目的で始めることをお勧めします。そうすることで、価格変動による精神的な負担も軽減されやすくなります。
- 初期費用だけでなく手数料も考慮に入れる: 作品価格だけでなく、ガス代や各種手数料も費用としてかかることを忘れないでください。予算を立てる際には、これらの手数料分も念頭に入れておくことが、後で困らないために重要です。
費用を抑えるためのヒント
少しでも費用を抑えてNFTアートを始めてみたい、という方のために、いくつかヒントをご紹介します。
- ガス代の安い時間帯を狙う: イーサリアムのガス代は、ネットワークの混雑状況によって変動します。一般的に、日本時間の深夜や早朝は比較的安い傾向があると言われますが、これも絶対ではありません。現在のガス代の状況を確認できるウェブサイトなどを参考に、安いタイミングを狙ってみるのも一つの方法です。
- Polygonなどガス代が安いブロックチェーンの作品を探す: NFTはイーサリアムだけでなく、Polygon(ポリゴン)など他のブロックチェーン上でも発行されています。Polygonはイーサリアムに比べてガス代が非常に安いという特徴があります。OpenSeaなどのマーケットプレイスでは、どのブロックチェーン上の作品かを確認できますので、Polygonの作品を探してみるのも良いでしょう。
- 「Giveaway(ギブアウェイ)」に参加する: 一部のプロジェクトやクリエイターは、無料でNFTを配布する「Giveaway」という企画を行うことがあります。これに参加することで、費用をかけずにNFTを手に入れる機会を得られることがあります。ただし、偽の企画や詐欺も存在するため、信頼できる情報源からの案内であるか十分に注意が必要です。
費用面以外にも知っておくべき注意点
費用について理解することは安全な第一歩ですが、NFTアートの世界には他にもいくつかの注意点があります。
- 価格変動リスク: 前述の通り、NFTアートの価格は大きく変動する可能性があります。これは作品自体の人気だけでなく、仮想通貨市場全体の動きにも影響されます。購入した価格よりも価値が下がってしまう可能性があることを常に認識しておく必要があります。
- 詐欺や偽物に注意: NFTアートの世界には、残念ながら詐欺的なプロジェクトや、他人の作品を無断で販売する偽物なども存在します。甘い話には乗らない、不審なリンクはクリックしない、公式情報を確認するなど、基本的なセキュリティ意識を持つことが非常に大切です。
- 技術的な問題: ウォレットの秘密鍵を紛失して資産にアクセスできなくなったり、送金先を間違えて資産を失ってしまったりといった技術的なリスクもゼロではありません。これらのリスクを避けるためにも、信頼できる情報源を参考にしながら、一つ一つの手順を慎重に進めることが重要です。
まとめ
NFTアートの世界は、新しい技術やアートに触れることができる魅力的な分野です。しかし、安全に楽しむためには、かかる費用をしっかりと理解し、無理のない範囲で予算を立てることが非常に大切です。
作品価格、ガス代、取引所手数料、マーケットプレイス手数料など、いくつかの費用がかかることを知っておきましょう。初心者のうちは数千円から1万円程度の予算から始めることも可能ですが、必ず生活に影響しない余剰資金で行うようにしてください。
費用を抑える工夫をしたり、リスクを理解したりしながら、あなたにとって無理のない方法でNFTアートの世界への最初の一歩を踏み出してみてください。
この記事が、あなたが安全にNFTアートを始めるための一助となれば幸いです。