NFTアート購入の第一歩：安心できるウォレットと仮想通貨取引所の選び方
NFTアートの世界にご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。「NFTアートの羅針盤」編集部です。
「NFTアートを買ってみたいけれど、何から始めればいいのか分からない」「専門用語が多くて難しそう」「安全に始めるにはどうしたら良いのだろう」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。特に、インターネット上でのデジタルな取引であるNFTアートは、従来の買い物とは少し仕組みが異なります。
NFTアートを手に入れるためには、主に二つの大切な準備が必要です。それは、「仮想通貨取引所の口座を開設すること」と「ウォレットを用意すること」です。これらは、NFTアートの世界への入口となる、いわば「デジタルなお財布」や「両替所」のような役割を果たします。
しかし、数多くの取引所やウォレットがあり、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。そして何より、「安全に」始めたいという気持ちは、どなたにも共通する願いだと思います。
この記事では、NFTアートの購入に必要な「ウォレット」と「仮想通貨取引所」について、
- なぜこれらが必要なのか
- 初心者が安全に始めるために、どのように選べば良いのか
を、専門用語を避けながら、一つずつ丁寧にご説明いたします。この記事を読み終える頃には、NFTアート購入に向けた最初のステップを、安心して踏み出すための知識が身についていることでしょう。
NFTアート購入の全体像をざっくり把握しましょう
まず、NFTアートを購入する流れを簡単にイメージしてみましょう。
通常、私たちは日本円を使って生活していますが、NFTアートの多くは「仮想通貨」を使って取引されます。インターネット上のデジタルなお金、それが仮想通貨です。
日本円を仮想通貨に換える場所が必要ですね。これが「仮想通貨取引所」の役割です。まるで、旅行に行く前に両替所で日本円を現地通貨に換えるようなものです。仮想通貨取引所では、日本円を入金して、NFTアート取引でよく使われる「イーサリアム」などの仮想通貨を購入することができます。
次に、購入した仮想通貨や、手に入れたNFTアートを入れておく「自分だけのお財布」が必要です。これが「ウォレット」です。ウォレットは、インターネット上に存在するあなた専用のデジタルなお財布で、仮想通貨やNFTを安全に保管したり、送ったり受け取ったりするために使います。
NFTアートを購入する際は、このウォレットと、NFTアートが売買されている「マーケットプレイス（お店のような場所）」を繋げて、ウォレットに入っている仮想通貨で支払いをします。
つまり、NFTアート購入までの流れはざっくり以下のようになります。
- 仮想通貨取引所で日本円を仮想通貨（例: イーサリアム）に換える
- 換えた仮想通貨を、用意したウォレットへ送る
- ウォレットを使って、マーケットプレイスでNFTアートを購入する
このうち、最初の二つのステップに関わる「仮想通貨取引所」と「ウォレット」の選び方について、次に詳しく見ていきましょう。
ステップ1：仮想通貨取引所を選びましょう
仮想通貨取引所は、日本円と仮想通貨を交換する最初の窓口です。国内には複数の仮想通貨取引所がありますが、初心者が選ぶ際に特に注目すべきポイントは以下の3つです。
選び方のポイント1：安全性
最も重視すべき点です。大切な資産を預ける場所ですから、信頼できる取引所を選ぶことが何より重要です。日本の金融庁に登録されている事業者が運営している取引所を選びましょう。これにより、一定のルールに基づいて運営されているため、不正やトラブルのリスクを減らすことができます。ウェブサイトに「金融庁登録済」といった記載があるか確認すると良いでしょう。
選び方のポイント2：使いやすさ
初めて仮想通貨に触れる方にとって、操作が分かりやすいかどうかは大切です。ウェブサイトやスマートフォンのアプリが見やすく、日本円の入金方法や仮想通貨の購入方法が直感的に理解できる取引所を選ぶと、スムーズに取引を始められます。
選び方のポイント3：手数料
仮想通貨を購入したり、後ほど解説するウォレットへ送金したりする際に、手数料がかかる場合があります。手数料が安ければ、その分、より多くの仮想通貨をNFTアート購入に充てられます。ただし、手数料の安さだけで選ぶのではなく、安全性や使いやすさとのバランスを見て検討することが大切です。
具体的な取引所の例
国内には、コインチェック、ビットフライヤー、Zaifなど、金融庁に登録されている複数の仮想通貨取引所があります。これらの取引所は、それぞれに特徴がありますが、まずは上記の3つのポイントを参考に、いくつか比較検討してみることをお勧めします。
ステップ2：NFTアート用ウォレットを用意しましょう
ウォレットは、購入した仮想通貨やNFTを保管しておくためのデジタルなお財布です。様々な種類がありますが、NFTアートの売買でよく使われるのは、インターネットブラウザの拡張機能として利用できるタイプのウォレットです。これは「ホットウォレット」とも呼ばれます。
なぜウォレットが必要なのか
仮想通貨取引所に仮想通貨を置いておくこともできますが、NFTアートのマーケットプレイスと直接繋げて取引を行うためには、通常、ご自身のウォレットが必要になります。また、ウォレットはあなた自身が秘密鍵（いわば金庫の鍵）を管理するため、取引所が万が一サービスを停止した場合でも、あなたのアートや仮想通貨にアクセスできるという利点があります。
選び方のポイント1：対応ネットワークとマーケットプレイス
NFTアートは様々な「ブロックチェーン」という技術基盤（デジタルデータの台帳のようなもの）上で発行・取引されています。それぞれ異なるブロックチェーンは、例えるなら「異なる国」のようなものです。ウォレットは、その国の通貨（仮想通貨）や資産（NFT）を扱える必要があります。NFTアートの主流であるイーサリアムのブロックチェーンや、最近利用者が増えているPolygonなど、利用したいマーケットプレイスが対応しているネットワークに対応したウォレットを選びましょう。
選び方のポイント2：安全性
ウォレットの安全性は、ご自身の資産を守る上で非常に重要です。信頼できる開発元が提供しているウォレットを選びましょう。また、ウォレットの「リカバリーフレーズ」（ウォレットを復元するための非常に重要なパスワードのようなもの）を厳重に管理することが、安全性を保つ上で最も大切になります。
選び方のポイント3：使いやすさ
仮想通貨取引所と同様に、ウォレットの操作性も重要です。NFTの表示が見やすかったり、マーケットプレイスとの連携がスムーズだったりすると、ストレスなく利用できます。
代表的なウォレットの例
NFTアートの世界で最も広く利用されているウォレットの一つに「MetaMask（メタマスク）」があります。イーサリアムをはじめとする多くのブロックチェーンに対応しており、多くのマーケットプレイスで利用できます。まずはこういった代表的なウォレットから調べてみるのも良いでしょう。
取引所とウォレット、連携のイメージ
仮想通貨取引所とウォレットは、例えるなら「銀行口座」と「普段使いのお財布」のような関係です。
- 取引所（銀行口座）: 日本円を入金して、まとまった仮想通貨を保管しておく場所。比較的大きな金額を安全に保管するのに向いています。
- ウォレット（普段使いのお財布）: 取引所から必要な分だけ仮想通貨を入れて、NFTアート購入など日常的な（デジタル世界での）支払いに使う場所。マーケットプレイスと直接繋げて使うため、利便性が高いです。
NFTアートを購入する際は、取引所で仮想通貨を購入し、それをウォレットへ送金してから使います。この「送金」の際に、わずかな手数料（「ガス代」と呼ばれることが多いです）がかかることを覚えておきましょう。
始める前に知っておくべき注意点
安全にNFTアートの世界を楽しむために、いくつかの注意点をお伝えします。
- 公式情報を確認する: 仮想通貨取引所やウォレット、マーケットプレイスを利用する際は、必ず公式サイトや信頼できるアプリストアからアクセスしましょう。偽のサイトやアプリを使った詐欺（フィッシング詐欺など）が存在します。URLやアプリ名をしっかりと確認してください。
- リカバリーフレーズは絶対に誰にも教えない: ウォレット作成時に表示されるリカバリーフレーズは、あなたのウォレットを復元するための「命綱」です。これを他人に知られると、ウォレットの中身を全て盗まれてしまいます。紙に書いて安全な場所に保管するなど、デジタル上ではなくオフラインで管理することを強くお勧めします。
- 余剰資金で行う: NFTアートの価格は大きく変動する可能性があります。また、必ずしも価値が上がるとは限りません。生活に必要なお金ではなく、万が一価値がゼロになっても生活に影響がない範囲の「余剰資金」で始めるようにしましょう。
- 焦らず、少しずつ学ぶ: NFTや仮想通貨の世界は新しい技術が多く、一度に全てを理解するのは難しいかもしれません。焦らず、この記事のように基礎から一つずつ学び、小さな金額から試してみるのが良いでしょう。
まとめ
この記事では、NFTアートを安全に始めるための最初のステップとして、「仮想通貨取引所」と「ウォレット」の必要性と、初心者が選ぶ上でのポイントをご説明しました。
- 仮想通貨取引所は、日本円を仮想通貨に換える「両替所」の役割を果たします。安全性、使いやすさ、手数料を考慮して、金融庁に登録された取引所を選びましょう。
- ウォレットは、仮想通貨やNFTを保管する「デジタルなお財布」です。対応ネットワーク、安全性、使いやすさを考慮して選び、特にリカバリーフレーズの管理には細心の注意を払いましょう。
これらはNFTアート購入の基盤となります。まずはご自身に合った仮想通貨取引所とウォレットを選び、次のステップである仮想通貨の準備や、ウォレットの使い方へと進んでいきましょう。
NFTアートの世界は、デジタルアートを楽しむだけでなく、新しいコミュニティとの繋がりや、クリエイターの応援にも繋がる可能性を秘めています。適切な準備と安全への意識をもって、一歩ずつ楽しんでいただければ幸いです。
次の記事では、実際に仮想通貨取引所で日本円を仮想通貨（イーサリアム）に換える具体的なステップについて解説していく予定です。
引き続き、「NFTアートの羅針盤」をよろしくお願いいたします。